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職種ごとに進路を考えてみよう

  資格がなくても、就職できる職種もありますが、高校生の方々には、今すぐ就職するにしろ、進学するにしろ、専門性をできるだけ高める道を歩んでいかれることをおすすめします。専門性が高いことを示す重要な指標は「資格」です。したがって、資格取得を常に意識して進路を考えることが大切です。
 資格取得のいちばんストレートな道は資格取得につながる専門の学校に進学することです。職種ごとに必要な資格を確かめ、進学を検討してください。受験を決める時点で取得できる資格をしっかりと確かめることをおすすめします。
 高校の福祉科に在籍する方以外は、卒業後すぐ福祉関係の仕事に就職するという場合には、資格は仕事をしながらとるということになります。実務経験を生かして取得できるものと、そうでないものがあります。
 福祉関係以外の仕事をしながら、あるいは福祉系以外の学校に通いながら資格を取ることもある程度、可能です。とりあえず、他の分野にすすみながら、福祉に転ずる機会をうかがうというのも一つの考え方でしょう。 

 

1.介護(ケアワーク)系の進路

  介護(ケアワーク)系の進路について説明する前に、介護職に関わる資格制度の動向について触れてみます。
 介護職員の今後のキャリアパスは、「初任者研修修了者→介護福祉士→認定介護福祉士」を基本とする考えが国の検討会で示されています(今後の介護人材養成の在り方に関する検討会「今後の介護人材養成の在り方について(報告書)」平成23120日)。
  そこでは現在のホームヘルパー2級は「初任者研修(仮称)」と位置付けられ、介護職員基礎研修は、平成
27年度の介護福祉士国家試験を受験する実務経験者に義務付けられる実務者研修の施行に合わせて、その実務者研修に一本化されます。
  なお、ホームヘルパー1級研修については、平成
24 年度に介護職員基礎研修と一本化される予定です。

進学する場合

   介護福祉士の資格をとることをおすすめします。
 専門学校・短大の介護福祉士のコースで2年間学び定められた科目を修めることによって介護福祉士資格を取得することができます。現在は卒業すれば資格取得ができますが、平成27年度より、国家試験は受け合格することが必要になります。
 4年制の大学でも介護福祉士の課程をもっているところがあります。
 ソーシャルワーカー系の基礎資格となる社会福祉主事の資格も合わせて取得できるところもあります。
 夜間の学校は、都市部を中心に数校の学校があります。最低3年間となります。通信教育課程は、NHK学園などが高校の専攻科で実施しています(ただし通信課程の場合は「受験資格取得」にとどまります。)

介護の仕事に就く場合

  介護職系はホームヘルパーを除いて、仕事に就く際の資格要件はありませんので、高校卒業で、介護の仕事に就職することができます。
 介護の仕事の経験を3年間積むと介護福祉士の国家試験を受験することが可能になります。
 ただし、最近は、国の制度が、介護福祉士の割合によって介護報酬に差を設けるなど、より質の高い人材ニーズが高まっていること、高齢者とのコミュニケーションの経験が若い人には不足していると考えられている仕事内容が多い職業であることなどから、高校卒業の場合には就職しにくい傾向もありますので、地域の求人状況をよく調べてから職業活動に臨むことが大切です。

ホームヘルパーの仕事に就く場合

  ホームヘルパーになる場合には、他の介護職と異なり「介護職員基礎研修」や「ホームヘルパー養成研修1〜2級課程」を修了する必要があります。ヘルパー2級についてですが、130時間のカリキュラムなので、初任者向け研修としてとりやすい資格となっています。この資格を在学中にとることは可能ですし、とくに2級を持っている場合には、ホームヘルパー以外の介護職にも就職しやすくなると言えます。ただし、ホームヘルパーは一人で行動する機会が多いことから他の介護職以上に年齢が若い人は採用されにくい状況にあります。ホームヘルパーの仕事も3年経験することによって、介護福祉士の受験資格が取得できます。

他の仕事をしながら資格取得を狙う場合

  先の述べた、夜間課程(3年間)で資格取得、通信課程(2年)で受験資格取得ができます。ただし、ともに実習が必要ですので、職場の理解も必要となります。必要な実習日数を事前に調べておいてください。
※介護福祉士の資格取得方法については、平成27年度から、養成校を卒業した場合でも、国家試験を受験し合格することが必要になります。3年間の実務経験を経て受験するいわゆる「実務者コース」の場合には、所定の研修を受けてから受験することが義務付けられます。

2.保育系の進路

進学する場合

  専門学校・短大の保育士のコースで2年間学び、定められた科目を収めることによって、保育士の国家資格を取得することができます。卒業すれば資格取得でき、後で述べる国家試験は受ける必要はありません。
 4年制の大学でも保育士の課程を持っているところがあります。
 夜間(20数校)・通信(数校)の課程もあります。(いずれも3年)
 ソーシャルワーカー系の基礎資格となる社会福祉主事の資格も合わせて取得できるところもあります。

保育の仕事に就く場合

 保育関係の仕事はほとんどの場合、保育士資格を持っていることが必要です。たまに、助手的な位置付けで無資格でもよいとする求人がある程度です。その場合、実務を2年間経験することで、次の項で述べる保育士試験を受験することができます。

他の仕事をしながら資格取得をねらう場合

  保育士は、大学・短大等に2年以上在学した場合には、国家試験を受験することができます。(高卒の場合は、上記のように2年間の実務経験が必要です。この試験は、社会福祉、児童福祉、保育原理、保育実習など8科目について、連続した3年間ですべてに合格すれば、資格を取得することができるというものです。

3.相談・援助・調整(ソーシャルワーク)系の進路

進学する場合

  基本的には、社会福祉の専門コースを持つ、大学、短大、専門学校に進学することをおすすめします。該当する資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、児童指導員任用資格、社会福祉主事任用資格になります。
社会福祉士は、4年制大学で社会福祉士のコースで4年間学び、定められた科目を修めることにより、社会福祉士の受験資格を取得することができます。これが基本のかたちとなりますが、2年制の短大や専門学校で必要な科目を修め、ソーシャルワーカーとしての2年間の実務経験を積めば受験資格が取得できます。
 精神保健福祉士は、社会福祉士とほぼ同様の仕組みになっています。精神保健福祉士のコースを選択することになります。
ソーシャルワーカーの制度的な資格要件は、多くの場合、社会福祉主事任用資格ですので、社会福祉士でなくても社会福 祉主事任用資格をとれば就職の最低要件は備えることになります。社会福祉主事の任用資格は、一般の文系の4年制大学であれば多くの場合取得できますし、福祉系の短大や専門学校でも取得可能です。しかし、社会福祉主事任用資格さえあれば就職が有利というほどの力がないのが現実です。
  
児童指導員任用資格は、児童福祉関係のソーシャルワーカーに必要な資格です。心理学・教育学・社会学を専攻する学部・学科で学び、卒業することが求められます。したがって、社会福祉士のコースを含め、社会福祉の専門の学部・学科・コースを卒業すれば、この任用資格の要件は満たすことができます。

ソーシャルワーカーの仕事に就く場合

  高校卒業の場合、ソーシャルワーカーの経験が4年以上あれば、社会福祉士の受験資格が生じます。しかし、ソーシャルワーカー系の職種は、その多くが最低限、社会福祉主事任用資格を持つことが求められるので、高校卒業後、資格なしでソーシャルワーカーの職に就くのは難しいと言わざるを得ません。
 たとえば、介護職にいったん就き、社会福祉主事任用資格を通信教育などで取得し、ソーシャルワーカー系の職種へ転職をはかるという道も考えられます。しかし、介護職として一人前になるのにも努力が必要ですし、年数もかかります。最初からその経路をねらうというよりは、結果としてそういうことも考えられると思った方がいいかもしれません。

他の仕事をしながら資格取得をねらう場合

  4年制大学卒の場合には、約1年半の社会福祉士養成施設の通信課程を受けることができます。また、先に述べたように、文系の大学であれば、多くの場合、社会福祉主事任用資格の最低限の要件をクリアしますので、他の仕事を経験したあと、転職するルートも考えられます。

4.事務系の進路

  とくに、資格要件はありません。ただし、福祉団体の事務職員、事業や法人の運営・経営を担当する職員の場合には、福祉系の学校で勉強をすることを求める場合があります。また、最近はパソコンの能力を求めることが増えていますし、経理系の仕事をする場合には、やはり経理を勉強している方が就職には有利でしょう。

5.その他

  社会福祉の仕事は、利用者の生活を支える仕事ですので、調理員、栄養士、施設管理の仕事があります。
 また、医療面で支えることが必要な利用者が多いことから、医師、看護師、理学療法士などの医療系の資格を持った人も数多く働いています。

6.高校卒業後の主な進路

 (福祉系以外の学校に進学する場合のルートは掲載していません)
高校卒業後の主な進路